【明日への種まき】課題だった支援のかたより。 今、能登半島では、官民の連携が 効率的な支援を展開。

課題だった支援のアンバランス。 今、能登半島で、官民の連携が 効率的な支援を展開。(パルシステム東京機関誌わいわい2024年4月号)

震災翌日には能登入りした「ピースボート災害支援センター」

赤いジャンパーの男性がピースボート災害支援センター(以下PBV)の上島理事。 「被災者も行政も団体も、上とか下とかでなく、協働しながら、不休の活動を続けています」と話した。(写真提供:PBV 団体ホームページ「2024年 緊急支援石川県能登半島地震」より)

 能登半島地震が起きた翌日、一般社団法人ピースボート災害支援センター(以下、PBV)は、発電機やガスボンベなどを積み込み、現地入り。他団体や各地から駆けつけたスタッフと合流し、炊き出しの手伝いや、どんな支援が必要かなどの情報収集を始めました。

このように迅速に活動を始めた背景には、東日本大震災後にできた、国・地方自治体と災害支援団体が日常的に連携する体制があります。「ふだんは被災時支援の研修を実施したり、災害に強いまちづくりに協力したり。そして発災後は、すぐ現地に行き官民連携で支援することが決まっています」と話すのは、PBV理事の上島安裕さん。報道で「ボランティアは現地入りをしばらく控えてほしい」との呼びかけがあっても、支援団体は迅速に活動を始めていました。

「被災地では、具体的な活動をするだけでなく、支援が効率的に行えるように調整するのも私たちの役割です。自治体の対策会議にも参加し、これまでの支援の経験を聞かれたり判断を求められたり。支援活動の積み重ねにより、私たち市民団体への信頼が高まっていると実感しています」と続けます。

また、「被災地で心配なく活動できるのは、パルシステムさんにお願いした食品の提供や経済的支援があるから。組合員のみなさんのカンパにも支えられています」とも。そして、「能登は今後もさらに多くの人手が必要です。道路も改善し気候もよくなり、一般の方も支援活動をしやすくなります。PBVホームページのボランティア募集サイトに登録し、ぜひ支援に参加してください」と結びました。

取材は2024年3月15日現在

パルシステム東京も支援に取り組みました