福島原発で発電した電力を消費してきたのは、東京電力管内に住む私たち。こうした関係性を変えていくためにも、”東京”にいる私たちが福島の農業生産者が始めるエネルギー創出の動きを支え、共に創っていきたいとの思いを込めて、開発されました。
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活動レポート
2016.9.23
2016年9月23日(金)、パルシステム東京新宿本部で、「農民発電で地域再生~福島と東京でつながろう~」を共催し、57人(組合員10人、役職員14人、その他関係団体等33人)が参加しました。
(共催団体:パルシステム東京、アーユス仏教国際協力ネットワーク、APLA/あぷら、日本イラク医療支援ネットワーク)
東京電力福島第一原発事故後、エネルギーの地産地消を目指して、農地の上にソーラーパネルを設置する取組(ソーラーシェアリング)の実現に動き始めたパルシステムの産直産地・二本松有機農業研究会。
今回のイベントは、その取り組みを応援するキックオフイベントとして開催しました。
基調講演は、企業経営者として真っ先に「脱原発」を宣言し、クリーンエネルギーの導入を推進してきた城南信用金庫相談役・吉原毅さん。
「私たちの選択が未来のエネルギーを変える」と題し、金融機関の動きがエネルギー戦略にも影響していることなどについて、お話しをいただきました。
また、営農型発電(ソーラーシェアリング)について、日本には約460万haの農地があり、仮に全ての農地で営農型発電の実施ができれば、原発1840基分にもなり得ることをご紹介いただきました。
その後、二本松有機農業研究会の生産者・大内督氏、飯舘電力・近藤恵氏より、ソーラーシェアリングの概要について説明がありました。
震災後の産地の思いのひとつは、地域内でのエネルギーの自給。東京の資本ではなく、自分たちの手を使ってエネルギーを創ろうとの思いからエネルギー事業の実現に乗り出した熱い思いをお話しいただきました
大内氏は、母の体調不良を契機に有機農業を志すようになった父・大内信一氏の志を引き継ぎ、有機農業に取り組んでいます。農産物の栽培には懸命に取り組んできたが、エネルギーは人まかせにしていた、との思いから、自分達の手によるエネルギー事業に踏み出した、と言います。
また、震災当時二本松有機農業研究会の生産者で、その後、エネルギー事業に携わる飯舘電力・近藤氏は、原発事故が起こり、一番辛かったのは、野菜を届けた方の喜んでくれる顔が見られなくなったこと。震災後、エネルギー部会を立ち上げ勉強を重ねてきており、今後は、持続可能な農業とともに、再生可能エネルギーを消費者に届けたい、と語りました
参加者からは…
〇難しい経済の話をユーモアも交えてお話しいただき、とても分かりやすかったです
〇金融から見る世界史という視点は興味深く、もっと知りたいと思いました
〇ソーラーシェアリングのプロジェクトは夢を感じさせてくれますね
〇生産者の方々の熱意が伝わってきてよかった
〇ソーラーシェアリングの取組の今後を継続的に報告してほしいです
…などの感想が聞かれました。
イベント終了後には、二本松有機農業研究会の人参ジュースや、売上げの一部がソーラーシェアリング事業に充てられる「カカオクッキーWa」(アーユス、APLA、JIM-NET共同開発)などの販売も行われました。
福島原発で発電した電力を消費してきたのは、東京電力管内に住む私たち。こうした関係性を変えていくためにも、”東京”にいる私たちが福島の農業生産者が始めるエネルギー創出の動きを支え、共に創っていきたいとの思いを込めて、開発されました。
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