基本情報
夏に見られるチョウや植物をさがして、まとめよう!
2022.7.25
夏休みの自由研究のテーマは決まりましたか?
もし、生き物が好きだったら、今年は≪夏に見られるチョウや植物≫を見つけて
まとめてみてはいかがでしょうか?
チョウはある決まった植物をエサにしている場合も多く、1つのチョウを追いかけていくと、
チョウと植物の意外なつながりに気づくかもしれません。
そうすると、ふだん何気なくしている町歩きがとても楽しくなってくるのです。
そんな奥深いチョウの世界へ、レッツ・ゴー・・・!!
はじめに、持ちものと注意することをたしかめよう
実際にチョウを観察し、まとめるためには、事前の準備が必要です。
悲しい事故にあわないためにも、必ず出かける前に、持ちものと注意することについて確認しましょう。
●持ちもの
メモ帳とえんぴつ
水とう
ぐん手
タオル
カメラ
図かん
ビニールぶくろ
ルーペ
地図
●注意すること
あぶない場所には行かないようにしよう
あぶない生き物にはさわらないようにしよう
生き物をとったり、他の場所の生き物を放さないようにしよう
他の人の土地には勝手に入らないようにしよう
道路では車や自転車に気をつけて、他の人のめいわくにならないようにしよう
※保護者の方へ:お子さまがお出かけになる際は、安全に十分注意してください。特に、小さなお子さまの場合は必ず保護者の方が引率していただき、水場や夜の観察は事故やケガに十分注意するなどの対策を行っていただきますよう、お願いいたします。
出かける前に、自分が何について調べたいのか、メモしておこう
次のようなことについて調べると、帰ってきてからまとめやすいよ!
調べようと思ったきっかけや理由
調べた場所や日にち、時間、天気、気温
観察(かんさつ)した場所の様子
どんなチョウが見つかったか
チョウがいた花や木の写真や絵をつける
観察(かんさつ)したチョウは何をしていたか
図かんなどでチョウの名前、性別(せいべつ:オスかメスか)、とくちょう、分布(ぶんぷ:どんなところにいるか)を調べる
チョウがエサとする植物は何か調べる
調べる場所や時間で見られるチョウにちがいはあるか
他に調べたことや感じたこと
調べてみて分かったことや分からなかったこと
夏に見られる代表的なチョウと植物
夏によく見られるチョウと、その幼虫(ようちゅう)が食べる植物をしょうかいするよ。キミの町では見つかるかな?
ツマグロヒョウモン
チョウ目(もく)タテハチョウ科。
ゆっくりととび、人が近くにいても地面に止まったりするので、よく見かけます。見通しのいい草地などをこのみます。
メスの前ばねの先にある黒い部分が特徴(とくちょう)で、オスにはこの黒い模様(もよう)がありません。これは毒(どく)を持つカバマダラというチョウににせていると考えられています。
幼虫(ようちゅう)はスミレ科の植物を食べ、市街地(しがいち)では植えられたパンジーの葉も食べています。幼虫は黒い体に赤い線が入り長いとげでおおわれていて、いかにも毒(どく)がありそうですが、毒(どく)はありません。とげをさわってもやわらかく、全くいたくありません。
※こん虫アレルギーがある人はさわらないようにしてください。
パンジー、ビオラなどスミレ科の植物
パンジーやビオラは花のさく時期が1~5月で、冬場さびしくなりがちな花だんに色あざやかな花をさかせてくれるので園げいで人気の花です。ツマグロヒョウモンは幼虫で冬をこします。もともとは野生のスミレの葉を食べていましたが、園げいでパンジーが多く植えられるようになったため、冬こしがしやすくなったのではないか、といわれています。
ナミアゲハ
チョウ目(もく)アゲハチョウ科。
北海道からおきなわまで全国てきに分布(ぶんぷ)し、4~11月に見られます。もっともなじみ深いチョウの一つです。都会から山地までいろいろなところで見ることができます。
幼虫(ようちゅう)はミカンやサンショウの葉を食べます。幼虫(ようちゅう)ははじめのうちは黒と白にぬり分けられた色をしていて、鳥のフンに擬態(ぎたい)していると思われますが、終齢(しゅうれい)になると一転してきれいな緑色にかわります。
サンショウなどミカン科の植物
アゲハチョウがこのむのはミカン科のユズ、ナツミカン、キンカン、サンショウなどさまざまですが、今回はサンショウをしょうかいします。
高さ1~4mほどの落葉低木(らくようていぼく)。サンショウは「山椒」と書き、「椒」は小さくてからい実を表しています。その名の通り、種(たね)がスパイスに使われます。また、香りのあるわかばも「きのめ」として和食に使われたりします。
ひくい山の林に生えていますが、みん家の庭などにも植えられています。葉は1センチほどで葉のふちは波打ち、ギザギザになっています。ミカン科の植物はえだにトゲがあることが多く、サンショウにもあるので、他の木と見分けるときの目じるしになります。
アオスジアゲハ
チョウ目アゲハチョウ科。
主に、あたたかい地いきの林に住んでいますが、さい近では幼虫(ようちゅう)が葉を食べるクスノキが公園などに植えられるようになり、分布(ぶんぷ)を広げているのではないかといわれています。
羽の中心の水色のもようが目立ちます。とび方はすばやく、ヒメジョオンやヤブガラシなどの花のみつをよくすいます。オスは水たまりなどに集まり、水を飲むことがあります。
写真はアオスジアゲハの終齢幼虫(しゅうれいようちゅう)です。
クスノキなどクスノキ科の植物
クスノキはせの高い木で、高さ15~30mが一ぱんてきですが、50mい上のものもあります。一ぱん家庭よりも公園、がい路じゅ、神社などでよく見られます。葉は光たくのある黄緑色で、長さ5~12センチメートル。葉のふちは波が打ったようになりますがギザギザはありません。アオスジアゲハの幼虫(ようちゅう)は葉のうらにひそんでいることが多いですがなかなか見つけにくいでしょう。幼虫(ようちゅう)がせい長すると表面にも見られるようになります。
-
こぼれ話
-
この記事では筆者が夏によく見かける3しゅのチョウをしょうかいしました。でも、住んでいるところがちがえば、またちがったしゅるいのチョウがいるかもしれません。それを自分の足でたしかめてみるというのがとても面白いのではないかと思います。
さいごに
帰ってきたら、調べてきたことや図かんの情報(じょうほう)などをもとに、模造紙(もぞうし)にまとめよう!
参考文献
「いきものみっけ手帖」(2009年、「いきものみっけ」事務局発行)
「花言葉【花図鑑】」(2016年、夏梅陸夫氏、大泉書店発行)
ホームページ:昆虫エクスプローラ(2022.07.05)
https://www.insects.jp/index.htm
ホームページ:庭木図鑑 植木ペディア(2022.07.05)