【明日への種まき】5月3日は憲法記念日。日本国憲法を知ってもらうためのドラマ仕立ての動画を紹介します。

個人の「心がけ」や「ガマン」から、 集団で社会に働きかけるアクションへ。 前向きなマインドチェンジを起こすとき。

動画に出演した埼玉弁護士会の田畑麗菜弁護士は、「憲法に関心が薄い若者たちにアプローチする方法として、動画作成にチャレンジした」と話した(写真は、埼玉弁護士会YouTubeチャンネル『選挙なんて行くヒマないわ!』から)

憲法を話すのって恥ずかしい…。そんなイメージを払拭するための活動を埼玉弁護士会の3人に聞きました

「埼玉弁護士会では、毎年 5 月に『憲法と人権を考える市民のつどい』を開催しますが、2020 年、計画していたイベントがコロナ禍で中止に。そこで高校が舞台のドラマ仕立て動画 2 本を作成しました。めざしたのは動画としておもしろい作品。おもしろくないと若い人たちは見てくれないから、脚本家と試行錯誤で台本を作りました」と、作品プロデューサーでもある吉田奉裕弁護士は話します。

左から、吉田奉裕弁護士、オンライン参加の金子直樹弁護士、田畑麗菜弁護士

『憲法なんて、いらねぇわ!』編は、「憲法を覚えてなんの意味があるの?」とうそぶく高校生が、学問の自由や婚姻の自由など若者に身近な話題から自分たちが憲法に守られていることに気づくというもの。また、『選挙なんて行くヒマないわ!』編は、校則を自分に都合よく決める生徒会長に生徒たちが振り回されるドラマ。人々が無関心だと権力者は暴走してしまう可能性を考えさせられます。2021 年の公開後、『憲法なんて、いらねぇわ!』編の再生数は 1 万 2,000 回に。 学校の授業で使われるなど、広がっているそうです。

まず憲法を知ってもらう…その材料としての動画です(田畑弁護士)

「若い人に憲法を説明するイベントではアーティストのライブを例に、私たちが憲法に守られていることを考えてもらいます。集まる権利を認める憲法がなかったらライブで捕まるかもと話し、身近に感じてもらうのです」と金子直樹弁護士。また田畑麗菜弁護士は、「情報が必要でも本を買う余裕のない人もいます。でも私たちは情報を入手し利用する権利があり、図書館が私たちの知る権利を実現させています」と話し、「憲法改正などの発言を聞くと自分の考えがゆらぐ人も…。ぜひ私たちの動画を見たりして、正しく、そして自分のこととして、憲法を理解してほしいです」と結びました。