【明日への種まき】スマホが停止→仕事にアクセスできない。そんな「通信の貧困」に苦しむ生活困窮者への支援を紹介します

「悪質なカードローンなど、ギリギリな生活を続ける人の弱みにつけこんだ貧困ビジネスも多い。それに頼った結果、さらに厳しい状況になる人もいます」と話す佐々木代表
生活に困っている一人ひとりとつながり、その人の生き方に合った支援をしていく
生活困窮者支援は日本の社会的課題のひとつです。パルシステム東京は、誰もが安心して暮らせる社会を作るために活動する市民団体を「市民活動助成基金」で応援。
2023、24年度助成団体の「NPO法人 トイミッケ」佐々木大志郎代表に、困窮者支援の今を聞きました。

炊き出し会場ではフリーWi-Fiも設置
「路上生活を続ける人たちはもちろん、ネットカフェで暮らし続ける人への支援も必要」と話す佐々木代表。
「ネットカフェ滞在費ぐらいの収入はあるけど、それもスマホで連絡しまくって得た仕事でのもの。
列に並んで仕事を得るという昔の光景とは違い、スマホをタップし続けて仕事を探すんです。昨日までどうにかなっていたから、仕事がない現実になかなか気づけない…」
仕事も住まいも不安定な彼らは、命綱の通信手段すら失いやすく、これがなくなると仕事にも支援にもアクセスできなくなります。
じつは佐々木代表もネットカフェ生活の経験者。
自身や仲間の経験から、電話が使えなくなるとさらに切羽詰まった状況になることを知っていました。

1泊分宿泊チケット、1食分の非常食、自身の携帯電話で相談機関に連絡するための充電器やガイドなどが入った「緊急お助けパック」。
緊急支援パッケージ「緊急お助けパック」を開発後、都内を中心に書店・飲食店など67カ所に設置し、今夜の寝床などを支援。
2024年は290人が利用しました。
「緊急お助けパック」を手にした人にはかならず会い、仕事や住居などをいっしょに考えたり、公的窓口に付き合ったりする支援がほぼ毎日とも。
「路上生活者だけでなく、不安定な状況にいる人たちも生活困窮者です。そのことをまず知ってください」と訴えました。

松野理事長から助成金目録を受け取る佐々木代表