活動レポート

私たちの身近にある原発 東海第二原発と再処理施設学習会

2022.12.6

パルシステム東京は2022年11月23日(水・祝)、「私たちの身近にある原発 東海第二原発と再処理施設学習会」をZOOMミーティングにて開催し、29名の組合員・理事・役職員が参加しました。

これまで日本政府は東日本大震災時の東京電力福島第一原発事故の影響を受け、原発依存度の低減を掲げていましたが、
昨今の国際情勢の不安定さによる資源問題、温暖化対策などの観点から急転換し、再稼働・運転期間の延長、新増設・建て替えを検討しています。

この状況に対し、私たちはどのような選択をしていくべきなのでしょうか。

「東京から110㎞しか離れていないところに、東海第二原発や再処理施設もあるということを、もっと知ってほしい。それがどのようなことなのかを考えてもらいたい」
学習会冒頭のご挨拶でパルシステム東京理事の大水が申し上げたように、他人事ではなく自分が関係していることを受け止め、まず身近な原発の現状を知ることは大切です。

今回は東海第二原発のある茨城県で脱原発運動を推進している脱原発ネットワーク茨城共同代表の小川仙月さんに東海第二原発と再処理施設についてご講演いただきました。

参加者からは「難しい話かと思ったが、幅広い内容をわかりやすくまとめてくださり良かった」「原発の基礎的なことや取り巻く環境も含め、理解が深まった」というご意見をいただきました。

学習会動画(アーカイブ)

2022年3月11日開催東海第二原発と再処理施設学習会

東海第二原発と再処理施設学習会 トピック

原子力発電所とはどういったものか

・日本にある二種類(沸騰水型原子炉・加圧水型原子炉)の原発の仕組み

・核分裂反応による熱エネルギーの発生、その際に放出される放射性物質

・放射性物質が外に出てしまった時の環境や人体への影響

福島の原発事故を振り返り、わかったこと

・事故当時、原発の中では何が起こっていたのか

・事故~2021年までの国土の汚染状況の推移

・いくつもの偶然が重なった?原発事故がもっと大規模になっていた可能性

・その時、東海第二原発の状況はどうなっていたのか

日本の原発の立地

・日本の原発の立地に偏りがあるのはなぜか

・原発マネー、東海村の財政はどうなっているのか

東海第二原発の現状について

・再稼働の準備(検査)は続いており、再稼働は決定していない

・東海第二原発は再稼働してはならない理由

照射脆化(しょうしゃぜいか)の問題

・金属の実験をみてみよう

・原子炉容器における照射脆化の問題とは

・東海第二原発のシャルピー衝撃試験結果

原発のゴミと再処理施設

・核燃料サイクルとは何だったのか

・東海再処理施設の廃止措置が進まない理由

・東海再処理施設の事故リスクポイント

原発の稼働による高レベル放射性廃棄物の発生

・放射性廃棄物の貯蔵状況

・放射性廃棄物の地層処分

・お金のはなし

読んでもらいたい報告書

・2012年日本学術会議「高レベル放射性廃棄物の処分について」

https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-k159-1.pdf

最近の原発の広報

・原発はCO2を出さない発電なので、地球にやさしいのか

・コマーシャルについて

・地球温暖化対策を口実に原発を使うべきではない理由

講師ご紹介

小川仙月(おがわ せんげつ)氏 脱原発ネットワーク茨城共同代表

小川仙月(おがわ せんげつ)氏 脱原発ネットワーク茨城共同代表

1964年生まれ

1986年に発生したチェルノブイリ原発事故後のNHK報道を見てその被害に衝撃を受ける。事故から4年後、白ロシア共和国(現ベラルーシ共和国)のミンスクへと渡り、小児血液病センターなどを取材。「チェルノブイリ四年目の地獄」「白ロシアからの手紙」を自費出版する。また1989年(昭和64年)に福島第二原発3号機の重大事故が発生。安全性を無視した運転再開に対し反対運動を行うが、1990年に運転再開となり、日本の原発への危機感を持つ。

それらをきっかけとし、市民の立場から原発の危険性を訴え、各地で講演などを行うなどの、脱原発運動を行っている。