おうちde作り手と会おう！値上げラッシュ…、それでも私が食べたい理由（ワケ）

2023年３月４日（土）、オンラインで商品の製造メーカーと組合員をつなぐ「おうちde作り手と会おう！」企画の第５弾を開催。

パルシステムの人気商品「カスタードプリン」、「おさかなソーセージ」、「豆腐」などの魅力を紹介するとともに、値上げによる作り手の苦労や努力をお聞きする企画を開催しました。（参加者60組）

パルシステムの「カスタードプリン」の原料は、生乳、卵、砂糖、カラメルソースのみと、家庭で作る材料と同じ！

市販品の多くは卵を割って冷凍した「液卵」を仕入れて使うのが一般的な中、パルシステムのカスタードプリンは、産直産地・JAやさとの卵を毎日仕入れ、その日に工場で割って使用。

自然の日差しと風通しのよい開放鶏舎で、鶏にかかるストレスを最小限におさえた飼育方法で生産された卵です。

魚種を指定しない「魚肉」を使用する市販品が多い中、パルシステムの「おさかなソーセージ」は「スケソウダラ」と「おきあみ」のみを使用。着色料や化学調味料、リン酸塩も不使用です。

製造は、八王子にあるニッスイの工場で高尾山からのきれいな地下水を使っています。
質の良いおさかな（スケソウダラ）から作る、良いすり身（一番肉）だけを使って、魚そのものの味をいかしているんですよ！

高度経済成長期、公害などが社会問題となる中、「子どもたちに安心安全な豆腐を食べさせたい」という組合員の声で開発がスタート。

「国産大豆使用、添加物の消泡剤は使わず『にがり』のみで固める、普段づかいの価格」というパルシステムの条件では引き受けてくれるメーカーは現れず、麺類の製造をしていた共生食品に話が…。

様々な苦労の末、できあがった豆腐は当初、パックから取り出すと崩れてしまうような商品でしたが、組合員の買い支えによって、現在まで愛される商品になりました。

商品の紹介後は、パルシステム連合会・辻本部長の進行のもと、パネルディスカッション形式で、値上げの原因や対策、組合員への想いを聞きました。

まずは、辻本部長からパルシステムの値上げの状況を報告。
「2022年度２月現在で約1300商品が値上げの対象に…。パルシステムでは、作り手が生産を持続できるよう適正価格としています。利益とリスクを分かりあうパートナーとして、作り手とともに値上げにも対応していきます。」

値上げの原因は、長雨・台風などによる大豆の不作、輸入小麦の価格上昇にともなう国産小麦の価格高騰、包材や水道光熱費の値上がりです。

豆腐や麺類は普段使いしやすい価格だからこそ、原料の値上げの影響をダイレクトに受けてしまいます。価格改定を決定した直後に、原料や製造資材がまた値上げ…、という状態が続いています。

苦しい状況ですが、豆腐・麺類は比較的手が出しやすい価格帯の商品。豆腐はからだをつくる『タンパク質』、うどんはエネルギーのもととなる『炭水化物』が豊富。食材の一つとして上手に活用いただくことで、組合員の健康と豊かな食卓に貢献していきたいです。

生乳と卵、砂糖、全ての原料が10％以上の値上がりに。加えて、包材や製造コストも値上がりしています。

生乳を生産する酪農家は、増大したコストの半分程度しか価格転嫁できず離農が進んでいます。

パルシステム向けの卵は、生産者が非常に努力して価格を抑えていますが、それもぎりぎりの状況です。

パルシステムの『カスタードプリン』は生乳や卵の比率が高いため、継続的に利用いただくことで、酪農家・養鶏家の生活を守ることにもつながります。

原料のスケソウダラは、一大産地であるアメリカでの不漁や、ウクライナ戦争により買い付けできなくなり、世界中で取り合いに…。

なるべく製造原価に転嫁しないよう、生産の安定化・効率化をはかっています。生産計画を前倒し、集中して生産することでコストを下げる努力をしています。

値上げが続くとメーカーによってはグレードをさげたすり身を使うことも。ニッスイでは、品質はかえないことを徹底します！スケソウダラは筋肉をつけるために最強の肉。ぜひスケソウダラのたんぱく質をとっていただきたいです。

値上げによって苦労や努力を重ねているとはいえ、「食べてもらえなくなったらどうしよう」という不安も作り手の皆さんは抱えています。
そこで最後に、参加者の皆さんから事前にお寄せいただいた「値上げになっても、私がパルシステム商品を食べたいワケ」をご紹介！

最後は、作り手の皆さんにお礼の気持ちを込めて拍手でお別れです。

参加者の皆さんからは、

「なんとなく世界情勢で仕方ない…とぼんやりしていた値上げの理由が腑に落ちました。」

「作り手と共に作り上げた安全で美味しい食品を改めて食べ続けたいと思いました。」

…などの感想が寄せられました。

パルシステムでは、これからも、作り手と組合員の皆さんをつなぐ取り組みを進めてまいります。