活動レポート

「私たちは忘れない」パル未来花基金2017年度助成グループ報告会 

2018.5.21

2018年 5月19日(土)パルシステム東京新宿本部で「パル未来花カフェ ~東日本大震災から7年  支援活動を聞いてみよう!~」を開催しました。

 

  第一部では甚大な津波被害からいち早くコミュニティセンターを再建した気仙沼市本吉町の「前浜『椿の森』プロジェクト」の取り組みについて、「椿の学び作り連絡協議会」会長の千葉  一氏にご講演いただきました。

 

  また、第二部では2017年度の震災復興支援基金(パル未来花基金)助成団体の報告を聞き、震災から7年が経った今、改めて私たちは何をすべきかを考える機会となりました。
参加者57人。

第一部:前浜「椿の森」プロジェクト~地域コミュニティの大切さ~

はじめに 椿の学びづくり連絡協議会会長の千葉   一氏から、宮城県気仙沼市の前浜マリンセンター再建プロジェクトについてお話しいただきました。

 

  2011年3月11日の東日本大震災に津波によって、気仙沼市本吉町のコミュニティセンター「前浜マリンセンター」は周囲一帯の建物とともにすべて流失しました。

  しかし、2013年9月にはコミュニティセンターを再建。いち早く再建が可能となったのには、行政を待たず、資金も行政に頼らず、地域住民自らが地域の材料を使って「自分たちでやれることは自分たちで」行い、作業後はみんなで酒を酌み交わすなど、「コミュニティ」の力で再建したのです。地元前浜の木材を90%使用して再建されたコミュニティセンターでは、地域の文化行事などが頻繁に行われ、そうした集いを通して培われた人間関係や役割分担などの協力体制は、震災後の避難所、・災害対策本部の運営にもそのまま活かされました。
  7年が経った現在もマリンセンター再建のため伐採した樹林帯を元に戻すため、防潮林や防風林になるヤブツバキなどの植樹、そしてそのツバキの種を伝統的な手法で絞った椿油づくりなどが「前浜マリンセンター」を拠点に継続して行われています。

 

 

  「やる気がある人のところへは、人が集まってくる」という千葉さんの言葉どおり、前浜には地元の住民だけでなく、遠くからもボランティアが集まってきます。実はこの日も「前浜マリンセンター」や新宿の戸山団地などでボランティアを続けている学生さんたちが遊びに来てくれていました。
  千葉さんは「人や自然、何かを自分たちで作り出すという気持ち」などが、前浜に行きたくなる魅力になっている」と、地域コミュニティが持つ力の源泉を語り、講演を締めくくりました。

千葉 一氏プロフィール

千葉 一氏プロフィール

1960 年、宮城県本吉郡本吉町大谷生まれ。
椿の学びづくり連絡協議会会長、気仙沼市震災復興市民委員会委員、前浜おらほのとっておき理事、東北学院大学等非常勤講師。
  マイソール大学 カンナダ言語文化研究所南インド研究課程中退。専攻は南アジア地域文化研究。主要論文に、「クワ科植物が結ぶインダスと南インド」 『インダス:南アジア基層世界を探る』 (2014 年)、「インドの経済開発と帰依の経済学:その固定と流動をめぐって」、『格差社会論』(2016年)などがある。
   大谷大漁唄い込み保存会理事、(一般社団法人)早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)嘱託コーディネーターなどを務めるかたわら、インダス文明の調査・発掘に携わる。

第二部:2017年度パル未来花基金助成グループ 活動報告

 後半は参加者がそれぞれ活動報告を聞きたいグループのブースに訪ねていく形式で、パル未来花基金助成グループの活動報告を聞きました。1グループ10分を目安としていましたが、話に引き込まれ、時間はいくらあっても足りない様子でした。

参加者アンケートから

  参加者のアンケートからは、

 

  「世の中で被災地のことが忘れられている中で、活動を続けている方たちがいることに希望を持ちました」

  「話をお聞きして心があたたまりました」

  「復興とは心の復興、コミュニティの復興だと思います。」

  などの感想が寄せられました。

 

 

  パルシステム東京は、今後も「忘れない」を合言葉に、復興支援活動を続けていきます。

パルシステム東京震災復興支援基金「パル未来花基金」について

東日本大震災から7年。私たちは被災された方々に寄り添い、「3.11を忘れない」をキーワードに様々な復興支援に取り組んできました。
震災から7年が経った今も求められるのは、多くの組合員が情報を共有し、学びあうこと。「自分もなにかできるはず」と思うこと。そして、その思いを実践につなげることです。
この実践を資金面で応援するため、2014年に「パル未来花基金」を設立しました。継続して、被災地の支援に取り組む組合員を資金面で応援するため、毎年、様々な支援活動に助成をしています。
2017年度は、コンサートや祭りなどの復興応援イベント、被災者の手作り小物の販売、仮設住宅や復興住宅での交流などに取り組む16グループに、計400万円を助成しました。

※震災復興支援基金の愛称「パル未来花基金」は、組合員公募により決定しました。「明るい未来を信じ、新しい花を咲かせるために、みんなで助け合い、力を合わせて日々努力していく気持ち」という意味を表しています。 ※基金の原資は震災復興支援積立金を活用しています。