活動レポート

みやぎ復興スタディツアー2023

2024.2.5

南三陸町 震災復興祈念公園

南三陸町 震災復興祈念公園

この公園は東日本大震災によって犠牲になられた方々の名簿を納める「名簿安置の碑」並びに、町の復興を祈念して設けられた「復興祈念のテラス」が設置されている祈りの丘、防災庁舎がそのまま保存されています。公園に続く中橋は、隈研吾氏の設計で南三陸の杉を使っています。

パルシステム東京では、東日本大震災発生後、「3.11を忘れない」を基本視点に2013年から被災地をめぐり、現状を知るツアーを開催してきました。コロナ禍で組合員参加のツアーは中止しておりましたが、今年度は4年ぶりに11月4日~5日「みやぎ復興スタディツアー2023」を開催し、宮城県石巻市、南三陸町、気仙沼市を組合員、役職員32名で訪れました。

 

【1日目】宮城県石巻市立大川小学校

震災遺構 大川小学校の前で 語り部鈴木典行さん

震災遺構 大川小学校の前で 語り部鈴木典行さん

1日目は、震災時大きな被害を受けた石巻市立大川小学校を訪問し「大川伝承の会」共同代表の鈴木典行さんに案内をお願いしました。大川小学校では、大震災後の津波により児童108名中74名と教員10名が亡くなりました。

海からは3.7km内陸に位置しており、津波は到達しないと思われていましたが、未曽有の地震による大津波は川を遡上し、大川小学校を襲いました。

鈴木さんの娘さんも当時小学校にいて帰らぬ人となりました。その辛い想いを中に秘めながら語る姿に、防災とは何か、自分事として、現地に行って、見て聞いて、学ぶ大切さを改めて感じました。

説明を聞く参加者

説明を聞く参加者

犠牲になった方々の慰霊・追悼の場とするとともに、震災被害の事実や、学校における事前防災と避難の重要性もお伝えいただきました。

この下まで津波が来たという、校庭わきの裏山にのぼりました

この下まで津波が来たという、校庭わきの裏山にのぼりました

この下まで津波が来たという、校庭わきの裏山にのぼりました

裏山から見た小学校、北上川がすぐそばに見えます

南三陸町

南三陸町 さんさん商店街

南三陸町 さんさん商店街

南三陸町に着いたら「南三陸町震災復興祈念公園」「旧防災対策庁舎」「南三陸311メモリアル」「さんさん商店街」を自由に見学し、買い物もしました。311シンポジウムで映画『千古里の空とマドレーヌ」の主人公長嶋涼太さんのお店『オーイング菓子工房RYO』にも立ち寄りました。長嶋さんにバスにきていただき「震災がなければ皆さんとこうしてつながることもできなかったと思います」というお話も聞くことが出来ました。

【夕食後に有志で星のストラップ作りに挑戦!】

組合員の田中さんに教えてもらいながら、工作中~

組合員の田中さんに教えてもらいながら、工作中~

組合員の田中さんに教えてもらいながら、工作中~

みんなで完成した星のストラップを持って、ハイポーズ!

今回、2022年度パル未来花基金助成グループ「星つむぎの村(宮城県石巻市、名取市で星を通じての支援活動)」の田中さんが参加されました。ご自身の支援活動の拠点でもあり、バスの中では1日目のガイド役、夕食後は、活動の際工作している「星のストラップ作りをしましょう!」と呼びかけてくれ、有志で挑戦。みんなで楽しくお話しながら作ることは、参加者同士の交流にもつながりました。

2日目:気仙沼市内視察

気仙沼復興祈念公園の入り口

気仙沼復興祈念公園の入り口

気仙沼復興祈念公園の入り口

2日目のコーディネーター廣重さん(真ん中手をあげている)の説明に聞き入る参加者

2021年3月11日に開園した「気仙沼市復興祈念公園」、東日本大震災により犠牲となられた方を悼み、震災の記憶を後世に伝え、震災からの復興の様子を眼前に、未来の安寧を祈念する場所です。公園内には、モニュメント、祈りの帆セイル、犠牲者銘板、伝承彫刻などが設置されています。高台にあり、気仙沼市を一望でき、市民の方が安らげる自然公園になっています。

 

気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館

2011年3月11日発生の東日本大震災による大津波とその後の大規模な火災は、死者1,143人(震災関連死を含む。)、行方不明者212人に上る最大級の悲劇を気仙沼市にもたらしました。

気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館は、将来にわたり震災の記憶と教訓を伝え、警鐘を鳴らし続ける「目に見える証」として活用し、気仙沼市が目指す「津波死ゼロのまちづくり」に寄与することを目的としています。

被災した「気仙沼向陽高校旧校舎」がそのまま保存されています。

 

前浜マリンセンター 椿の森プロジェクト

伝承館から大谷海岸道の駅へ立ち寄り地元の名産を購入。「はまなす海洋館」で昼食後、「前浜マリンセンター」へ向かいました。震災後から気仙沼での支援活動を継続している廣重剛史さんは、パルシステム東京の復興支援委員でもあり、今回のツアーにもご協力いただきました。廣重さんも関わっている椿の森づくりの仲間である前浜の方々との交流もでき、充実した時間となりました。

 

「(一社)前浜おらほのとっておき」代表畠山さん(右)、理事の佐藤さん(左)から前浜での取り組みについてお話しいただきました

「(一社)前浜おらほのとっておき」代表畠山さん(右)、理事の佐藤さん(左)から前浜での取り組みについてお話しいただきました

「(一社)前浜おらほのとっておき」代表畠山さん(右)、理事の佐藤さん(左)から前浜での取り組みについてお話しいただきました

前浜マリンセンターの室内では、交流のある多くの小学校から寄贈された幕や応援メッセージが飾られています

海岸の防潮堤までみんなで歩きました

海岸の防潮堤までみんなで歩きました

海岸の防潮堤までみんなで歩きました

「(一社)前浜おらほのとっておき・(一社)カメリア(椿)」の理事でもある千葉さん、椿のプロジェクトについて説明をしていただきました

11月4日~5日 みやぎ復興スタディツアー2023

ダイジェスト動画をご覧ください

「前浜マリンセンター」の前で地元のみなさんと一緒に

「前浜マリンセンター」の前で地元のみなさんと一緒に

<参加者アンケートより 1部抜粋>

●一泊二日とは思えないほど、盛りだくさんの内容でした。大川小学校の案内をしてくれた鈴木さんを始め、各見学地で直接お話を聞けて、津波の恐ろしさや防災の大切さ、今後の展望など知ることが出来て、忘れられない経験になりました。職場や親族にお土産渡しがてら、見聞きしたことを話したので、周囲だけでも少し理解が深まればいいなと思います。 ガイドを買って出てくれた田中さんのお陰で、少し参加者の交流が出来て良かったです。

●復興支援ツアーに参加し、被災地や被災者から勇気や元気をいただきました。どの地域でもつらい経験を乗り越え、前をみて逞しく生き抜いていく姿勢がとても印象に残りました。被災者さんたちの頑張りを思い出せるよう、ちょくちょく東北に旅行したいと思います。

●大変お世話になりありがとうございました。小5の息子が起きた事実を必死に受け止めようとして真剣にお話を聞き、震災の遺構から目を背けない姿を見て、連れてきて本当に良かったと思いました。

訪問した先々で、故郷の復興や自分の人生を前向きに歩いている人々の力強さを目の当たりにしたスタディツアー。

パルシステム東京はこれからも被災地を「忘れない」取り組みを続けていきます。

お問い合わせ

生活協同組合パルシステム東京 政策推進課
 paltokyo-seisaku@pal.or.jp