活動レポート

(プラスチックごみ問題)「大気のマイクロプラスチック汚染が進んでいる」活動レポート

2024.12.27

海だけでなく大気にも広がるマイクロプラスチック汚染。大気の問題についての研究をしている大河内教授から、最新の研究も含めた講義していただきました。「計測場所により観測されるプラスチックの種類の特徴が異なる」「日光により劣化したプラスチックからメタンが発生する」「人体からは今年新たに脳からも検出された」などの環境問題に関する話だけでなく、マイクロプラスチックやCO₂を効率よく吸着してくれる早成桐によるグリ-ントランスフォーメーションなど、未来への希望に繋がる話もしていただきました。

大河内 博 氏 

大河内 博 氏 

早稲田大学創造理工学部環境資源工学科 教授、日本環境化学会理事、大気環境学会常任理事

計測場所により種類が異なるマイクロプラスチック

計測場所により種類が異なるマイクロプラスチック

車両の通行量が多い道路周辺では自動車タイヤ摩耗塵や路面標示に使われるプラスチック。住宅街では凡庸プラスチックなど、計測する場所により大気から観測されるプラスチックは異なってきます。

太陽光によりプラスチックが温室効果ガスを発生させる要因にも

太陽光によりプラスチックが温室効果ガスを発生させる要因にも

太陽光がプラスチックに当たることにより、温室効果ガスの排出要因となるメタンを発生する量が太陽光が当たらない時と比べて増えてしまうそうです。増える量はポリスチレンで6倍、ペットは10倍と光照射による発生量はプラスチックの種類によっても異なります。改めて人工芝など屋外のプラスチックについて考えさせられる話となりました。

大気中のマイクロプラスチックに関する人や大気への影響

大気中のマイクロプラスチックに関する人や大気への影響

大気中に放出されたマイクロプラスチックを人が呼吸をする時に一緒に取り込んでしまう事で、人体からは胎盤や血液からもマイクロプラスチックが検出されていますが、今年は脳からも検出された事例があったという話がありました。 また、雲の中からマイクロプラスチックが検出されている事を世界で初めて明らかにされていますが、それが太陽光を散乱して冷やす事になるのか、逆にメタンによる地球温暖化の要因になるのかなど、人や大気への影響でまだ解明されていない部分もあるという事でした。

早成桐によるグリーントランスフォーメーションは未来への救世主?

早成桐によるグリーントランスフォーメーションは未来への救世主?

早稲田大学理工学術院と日本女子大学の研究グループが、森林がマイクロプラスチックを吸収する事を実証しています。特に早成桐(そうせいぎり)はスギと比較して成長速度が4倍でCO₂吸収速度も3倍となり、「大気中のマイクロプラの補足」「土から放射性物質の吸収」「CO₂の吸収」など3大環境問題を解決する救世主になるのではないかと、未来への希望となる話もしていただきました。