活動レポート
今だから知っておきたい!お隣の国「韓国」と歴史
2016.10.1
2016年10月1日(土)、新宿区大久保にある認定NPO法人「高麗博物館」※にて、日本とコリアの歴史を学ぶ学習会と2014年度韓国平和スタディツアー参加報告会を開催、組合員、役職員37人が参加しました。
※高麗博物館は2012年度パルシステム東京市民活動助成金助成団体です。
高麗博物館は正しい歴史を知る場所であり、自費運営で干渉を受けない団体
はじめに、専務理事の垣端真佐子氏より高麗博物館についてご紹介していただきました。
高麗博物館開館のきっかけは朝日新聞のコラムにある在日の方から「植民地時代に日本が朝鮮から持ってきた文化財を展示する場を作ってほしい」と投書があったことがきっかけです。その後、1990年に「高麗博物館を作る会」を結成、2001年に開館しました。寄付と会員の会費で運営されており、公的援助は一切ありません。会員数は今750人となっています。
高麗博物館は3つの目的で運営されています。
ひとつめは、日本とコリア(韓国・朝鮮)の間の長い豊かな交流の歴史を見える形で表し、相互の歴史・文化を学び、理解して友好を深めること。
ふたつめは、秀吉の二度の侵略(1592年文禄の役・1597年慶長の役)と近代の植民地支配の罪責を反省し、歴史の新事実に真向かい、日本とコリアの和解を目指すこと。
みっつめは、在日韓国、朝鮮人の生活と権利の確立を願いながら在日韓国・朝鮮人の固有の歴史と文化を伝え、民族差別のない共生社会の実現を目指すことです。
今年で設立26年目、民族差別のない共生社会を目指して在日連続講座、隣国である韓国との友好の道をより豊かに実らせる文化講座の企画、韓国の歴史的文化的地域をめぐる韓国旅行、企画展示の調査のための調査旅行などを開催しています。
これからも続けていきたいと強く願っています。
日本と韓国・朝鮮の交流史
続いて、理事長の原田京子氏より、両国の歴史から日本とコリア(韓国・朝鮮)の関係を6つのポイントで分かり易く教えていただきました。
《理解すると韓国問題・歴史通になれる6つの課題》
【1】日本が歴史的にもっとも影響を受けた国はどこでしょう。
【2】日本と朝鮮半島とのよい関係・悪い関係はいつどのくらい続いたのでしょう。
【3】韓国・朝鮮人差別はいつごろからどのようにはじまったのでしょう。
【4】在日朝鮮人のはじまりはいつでしょう。
【5】在日朝鮮人の現状はどうでしょう。
【6】差別のない「ともに生きる」社会にするために。
歴史を古代・中世・近・現代に分けて、それぞれの時代を追っていくと、古代から朝鮮半島からの文化の影響は大きく、技術・美術工芸品など多面的影響を受けていたこと、豊臣秀吉による残虐な朝鮮征伐により、一時は交流が途絶えましたが、江戸時代までは通信使を経た交流などで友好な交流がされていたことを説明頂きました。
また日清戦争・日露戦争を経て、韓国が事実上日本の植民地となっていた時代、実質的な土地収奪が行われ、土地を追われ日本に移り働かざるを得なかった人々や労働力として日本に強制的に連行された人々がいること、その時代に民族差別的な教育が日本で行われていたことなど、この時代が、現在の日本と韓国の間に横たわる問題に強くつながっていることが分かりました。
また、第2次世界大戦終戦後、朝鮮南北分断や朝鮮戦争などのため、日本に残留を余儀なくされた在日朝鮮人の方々の終戦後から現在の社会保障・根強い差別についての問題なども伺いました。
「韓国・朝鮮と日本の歴史を知ることで両国の理解が深まり、このことで差別のない『ともに生きる』社会を育てていくことができると思っています」という言葉で締めくくられました。
2014年度韓国平和スタディツアー参加報告
パルシステム東京では2001年より、韓国の高陽坡州(コヤンパジュ)ドゥレ生協と交流を行っており、2014年度からは公募の組合員が参加する韓国平和スタディツアーを開催、隔年で訪問することを続けています。2014年度に参加した方々に感想などを報告していただきました。
2016年度も11月11日(金)~13日(日)で韓国平和スタディツアーを開催予定ですが、参加予定者からは「事前に参加者の生の声をきくことが出来てよかった」との感想を頂きました。
短い時間ということもあり、長い歴史の全てを知り理解することはできませんでしたが、参加者からは「概要が分かり易く理解できた」「もっと知りたくなった」「自分はもっと知る必要があると感じた」というご意見をいただきました。
両国の関係について、あらためて参加者が自分で学び、考えてみる機会となりました。
~高麗博物館ご紹介~ コリアタウンにある日本とコリア(韓国、朝鮮)の交流史博物館です。企画展示や講座、ハングル入門講座も行っています。ぜひ訪ねてみてください。 ※委員会活動「企画のしおり」のおでかけピースカフェ登録団体です。 |