活動レポート
シンポジウム「私たちは忘れない!3.11東日本大震災」を開催しました
2013.3.9
東日本大震災から2年…私たちは忘れない!
震災から2年を迎えるにあたり、組合員とともに被災地・被災者の現状を共有化し、私たちに何ができるのかを考えるために、被災した生産者、生協、仮設住宅の自治会長を招いてシンポジウムを開催しました。
2013年3月9日(土)「私たちは忘れない! 3.11 東日本大震災 その時~今~そして未来へ」会場には、110名の参加がありました。
【基調講演】「東日本大震災 人間と社会の変貌」
講師:山崎 美貴子さん(東京ボランティア・市民活動センター所長、東京災害ボランティアネットワーク代表、前神奈川県立保健福祉大学学長)
被災地では2年が経った今も希望が見いだせない状況にあり、被災者の心身両面に寄り添った息の長い支援の必要性が語られた。そして「生協は、人と人、地域とつながりの仕組みを持っていて、その実績もある。また被災生協は当事者性もあわせもち、被災者と辛さを分かち合う強さもある。様々な支援活動を通して学んだことを活かし、支え合いのつなぎ手になってほしい」と、生協のもつコミュニティやネットワークへの期待が寄せられました。
【被災地からの報告】トークセッション
被災直後の状況から、被災地への関心が低下してきていることへの懸念、避難者同士のコミュニティづくりを阻む個人情報保護法の壁、進まない東京電力の原発事故補償問題など、いまだ復興にはほど遠い被災地、被災者の“今”について報告がありました。
◆パルシステム福島:理事長 和田佳代子さん
「今回の震災でできた色々なつながりを活かし地域の復興再生に参加、パルシステム福島としての役割発揮をしていきたい」と話され、「震災と原発事故の記憶と教訓を後世に伝えることが大事」と、観光やスタディツアーで福島の現状を見に来てほしいとの呼びかけがありました。
◆いわて生協:理事 香木 みき子さん、かけあしの会
(Δかけあしの会のみなさん)
震災直後の混乱の中、組合員同士のつながりの力を実感したが、3年目を迎え、横並びだった被災者の状況も、経済力がある人とない人とで差が出てきている。「頼まれごとは試されごと、私たちはノーとは言わない。資金は厳しいけど、人の縁で成り立っている」と、スピーディーに地域の方に寄り添った支援ができるように立ち上げた「かけあしの会」の活動などが報告されました。
◆パルシステム鶏卵産地・(株)花兄園:代表取締役 大須賀 木さん
「パルシステムからは2年たった今も支援をいただいてありがたく思っている。産直をやっていてよかったとつくづく感じている。皆さんに喜んでいただける卵をできるだけ早くお届けできるようになりたい」と感謝の言葉が寄せられ、参加者からは「これからも買い支えます」とのエールがありました。
◆宮城県登米市 若者総合体育館仮設住宅(南三陸町から避難):自治会長 阿部 一郎さん
避難した高台から撮った写真を投影しながら、目の前で津波に流されていく自宅や町の光景、生死を分けた紙一重の状況など、震災当日の様子がつぶさに語られ、会場からは声にならない声が聞こえ、涙を流す方の姿も見られました。
また、今回のシンポジウムには、新宿区百人町に避難してきている方々でつくる「青空会」の方々も招待しました。代表の山田さんから、先が見えない避難生活への不安や、直面しているコミュニティづくりの課題について報告がありました。 昼食時の交流も含めた4時間半。持続的な支援の必要性や、できることから積み重ねていくことの大切さを参加者全員で共有することができました。今回のシンポジウムで寄せられた声もしっかりと受け止め、パルシステム東京は、引き続き、被災地・被災者に寄り添った継続的な支援活動に取り組んでまいります。