活動レポート

【東日本大震災】宮城県登米市・南三陸町被災者支援ボランティア

2012.11.19

パルシステム東京では、2011年度から東京災害ボランティアネットワーク(以下、東災ボ)が宮城県登米市を中心に行っている南三陸町の被災者支援活動へ、役職員と組合員ボランティアを派遣35名が参加しました。組合員による支援活動では初の宿泊をともなう活動でしたが、多くの組合員の応募がありました。終了後は、「まとめ報告会」で活動の振り返りを行い情報を共有し、2012年度も「宮城県南三陸町被災者支援ボランティア活動」として、25名が支援活動への協力を継続しました。

支援活動は、傾聴活動を主とした「ふれあい喫茶」の運営で、登米市・南三陸町の4つの仮設住宅を中心に開催。お茶菓子を提供し、ボランティアによる傾聴活動や、避難者同士、避難者と地元住民との交流など、地域のコミュニティづくりに貢献、避難者の孤立化防止の一部を担いました。

 

 

■2011年度・2012年度ボランティア派遣

 2011年度      活動期間  参加数
第1期 2012年2月25日~29日 7名
第2期    2月29日~3月3日 6名
第3期

         3月 3日~ 7日

4名
第4期    3月 7日~10日  6名
第5期    3月10日~14日 6名
第6期

   3月14日 ~17日

 

 6名
          計 35名
 2012年度      活動期間  参加数
第1期 2012年4月27日~4月30日 4名
第2期    6月8日~6月11日 5名
第3期

         7月20日~23日

5名
第4期    8月 31日~9月3日  5名
第5期    11月16日~19日 6名
 

  計

 25名

◆南三陸町「ふれあい喫茶」の様子

地元の運動会で「ふれあい喫茶」を開催。地域のコミュニティ作りをお手伝い

地元の運動会で「ふれあい喫茶」を開催。地域のコミュニティ作りをお手伝い

地元の運動会で「ふれあい喫茶」を開催。地域のコミュニティ作りをお手伝い

まだまだガレキが残る南三陸町

「ふれあい喫茶」のテントを準備中

「ふれあい喫茶」のテントを準備中

「ふれあい喫茶」のテントを準備中

パルシステムの食材で作った「お好み焼き」と「フランクフルト」

◆ボランティア活動に参加して

仮設住宅で「ふれあい喫茶」の準備

仮設住宅で「ふれあい喫茶」の準備

【2012年第3期参加職員からの報告】 

 昨年の復興支援プロジェクトでも東災ボに参加し、今回で2回目の参加となりました。昨年と比較をしてみて、南三陸町の被災現場は大きく変わらないようにみえました。しかし、仮設住宅の方々は、想像していたよりも「震災直後」のことを話してくださったり、「笑顔」が多くみられました。ゆっくりですが、時間は進んでいて、前を向き始めている方もいるんだということを感じました。
また「赤帽」(東災ボのボランティアは全員、赤い帽子をかぶっているため、「赤帽」の愛称で呼ばれています。)の信頼は素晴らしいものになっています。 「赤帽さんがいなければ、私たちは仮設で引きこもり、もしくは、周りの方々とこんなに話す機会はなかった」といった声を多くの人から伺いました。1人ひとりの小さな積み重ねが、大きな力となり、仮設住宅で暮らす方々にっとって赤帽の存在が非常に大きなものとなっていることにとても驚かされました。この東災ボの活動は9月より、今までに比べ回数が少なくなってしまうようですが、ここで学んだことを「伝えていく」ことを私自身大切にしていきます。
最後に、今回の支援活動は組合員3名と一緒に参加しました。組合員の中には、「家族に大反対をされてでも来ました。それは、パルシステム・生協が応募をしていたボランティアだったから申し込みをしました。生協でなければ、私も自ら応募はしていませんでした。こんな素晴らしい企画に参加させていただき感謝しています」という声を聞いた時は、本当に嬉しかったです。私は、今回のボランティアを通して、組合員さんからもたくさんの事を学ばせていただきました。

被災者支援組合員ボランティア合同交流会(宮城県登米市・南三陸支援&パル・パラソルカフェ)

2012年6 月9 日(土)、パルシステム東京東新宿本部で「被災者支援組合員ボランティア合同交流会」を開催しました。
合同交流会には、宮城県東松島市での「パル・パラソルカフェ」と、宮城県登米市での東京災害ボランティアネットワークの活動に参加した組合員ボランティアの19名が参加しました。

冒頭、2011 年度パルシステム東京復興特別委員会委員長を務めた野々山理事の挨拶でスタート。支援活動の振り返りと今後の活動についての説明を行いました。 振り返りでは、支援活動中の写真を写しながら、12 月の「パル・パラソルカフェ」での職員がサンタに扮してクリスマスパーティーを開催した様子や登米市・南三陸町での「ふれあい喫茶」等の支援活動を報告。また、2012 年度について「2012 年度パルシステム東京復興支援方針案」を報告し今後の方向性への説明がありました。

次に、吉田氏の講演。その後グループワークでは、方針案に沿って具体的に「どのような支援活動ができるのか」ということを、組合員の目線から、また、実際に被災地で支援活動を行った経験を基に話し合いました。「継続した被災地支援」「地域(東京)でのボランティア」「中間支援」をテーマに3 つのグループに分かれ、講演内容も参考にして「今後の支援活動」について意見を交換しました。各グループからは「東松島の仮設住宅での支援を続けたい」や「高齢者むけに血圧測定など健康に関するプログラムを支援活動に組み入れる」「被災地と組合員をつなぎ、文通する」「ショートステイを募集する」など、色々なアイデアが提案されました。提案されたアイデアは、復興支援特別委員会に報告され、今後の支援活動を検討する際の参考資料として活用されました。

講演「今 私たちができること 被災地 そして地域へ」

東京ボランティア・市民活動センター 吉田真也氏

講演「今 私たちができること 被災地 そして地域へ」

東京ボランティア・市民活動センターの吉田真也氏から、都内には、当初想定していた2,000 人よりも多い約9,500 人(2012 年5 月現在)もの方が避難していることや、高齢者や母子だけで避難している世帯も多くいることなど、避難者の現状報告がありました。また、家庭によって必要な支援が異なるため、「広域避難者」として一括した支援ではニーズと合わなくなっていること、個人情報保護のため自治体からの情報提供が無く支援活動が行えないなど、問題点についても報告いただきました。今後の課題として「多様なニーズに応えるために支援者同士が情報交換できるネットワークを構築する必要性と、小さい活動でも地道な活動を続けることの重要性」の訴えがありました。

支援活動中の写真を回覧

支援活動中の写真を回覧

支援活動中の写真を回覧

グループワークの様子

2年にわたる組合員と役職員との支援活動の振り返り

2011 年3 月11 日、甚大な被害をもたらした東日本大震災発災以降、パルシステム東京は組合員と役職員が一体となり、被災地・被災者への支援活動に取り組んできました。

  津波により800 人以上の死者・行方不明者が出た南三陸町では、現在も多くの町民が隣の登米市などの仮設住宅で避難生活をおくっています。
  パルシステム東京は、東京災害ボランティアネットワーク、東京都生協連と連携し、避難所での支援活動から始まり、仮設住宅における新しいコミュニティづくりや、被災者の皆さんに寄り添い触れ合う「ふれあい喫茶」など仮設住宅移転後も支援活動を継続して取り組んできました。
  この支援活動には、多くの組合員が職員とともに宿泊を伴うボランティアとして被災地で活動、全国生協でも例を見ない取り組みでした。参加した組合員は、「被災地で支援活動をしたかったがそのルートがなく、パルシステム東京が道を作ってくれた」、「被災者の皆さんとたくさんの話ができ、つらく悲しい思いを東京に持ち帰った。多くの人にそのことを伝え、地域の中でできることを支援につなげたい」と語っていました。
  東京の生協が時期を分担して取り組んできた東京災害ボランティアネットワークのプログラムの中で、パルシステム東京の今期最後の支援プログラムは11 月16 日より19 日まで実施、被災者の皆さんとの交流を深めました。
  今回参加した組合員の鈴木和歌子さんは、「ふれあい喫茶に参加しました。何も出来ないけれど、被災者の方に、直に、お茶などをお渡しできました。また南三陸町を視察させていただきました。無惨な防災庁舎や家の土台だけがあるのを見ました。私にとっての被災者支援、防災は、今からだな、と思いました。」と、感想を寄せてくださいました。

  パルシステム東京はこれからも南三陸町被災者のみなさんへの支援はもちろん、福島をはじめ、いまだ厳しい避難生活を強いられている被災地、被災者支援に継続して取り組みます。

津波で破壊された南三陸町の防災庁舎。南三陸町では、建物の約6 割が罹災

津波で破壊された南三陸町の防災庁舎。南三陸町では、建物の約6 割が罹災

津波で破壊された南三陸町の防災庁舎。南三陸町では、建物の約6 割が罹災

東災ボでは、津波で流された写真を洗う「思い出探し隊」にも参加