活動レポート

お台場の海のマイクロプラスチック採取体験から、海を守るためにくらしの中でできることを親子で考えました。

2018.8.2

6月9日(土)港区お台場海浜公園で、「お台場の砂浜でマイクロプラスチック採取体験&学習会」を開催しました。
参加者90名(参加申込み多数のため抽選)

高田 秀重氏

高田 秀重氏

講師は、プラスチック汚染問題の第一人者である東京農工大学教授 高田 秀重氏。
お台場の砂浜でプラスチックごみを採取。身近で起きている深刻な問題を体感し、くらしの中で実践できる「リデュース(ごみ発生抑制)」の取り組みの必要性を学びました。

梅雨の合間、暑いくらいの天気の下、さっそくプラスチックを採取に挑戦!

調査資料となるため、手では直接触れずにピンセットを使います。

調査資料となるため、手では直接触れずにピンセットを使います。

丸いものはレジンペレットと呼ばれるプラスチックの材料

丸いものはレジンペレットと呼ばれるプラスチックの材料

小、中学生のお子さんは、大人顔負けのスピードで採取。

小、中学生のお子さんは、大人顔負けのスピードで採取。

波音や家族連れで遊んでいる声を背に、黙々と作業します。

波音や家族連れで遊んでいる声を背に、黙々と作業します。

高田先生も一緒に作業しつつ、個別にも説明してくださいました。

高田先生も一緒に作業しつつ、個別にも説明してくださいました。

これ以上の海洋汚染を防ぐために、私たちができることは?

40分ほどの採取作業後は、高田先生のお話を伺いました。マイクロプラスチック等による海洋汚染は世界でも重点課題とされています。これ以上汚染が進まないようにするために、わたしたちにできることは何でしょうか。高田先生は以下のことを提案されました。

【海へのプラスチックの流入削減】 ※多様な対策の組み合わせが重要

 

・再使用・リサイクルが容易になるような商品や包装(簡易包装も含む)を生産者や流通業者が取り組むように指導、規制
・生分解プラスチックの改良と陸上での処理装置での分解促進
・リサイクルの促進(社会的なシステムの開発と実装)
・使い捨てプラスチック(特に、レジ袋)の使用規制
・紙焼きなどのバイオマスの高度利用の促進
・バイオマスベースのプラスチックの利用促進
・海岸、河岸、街の清掃(行政、ボランティア)
・市民の意識の3R(削減第一)の意識啓発

「必要以上のプラスチックは使わない」-買い物をするときはレジ袋ではなく、マイバッグを使う。使い捨ての容器は使わない、マイボトルを持ち歩く、きちんとゴミは分別する、綿など天然素材の服を着る-など、身近なところでも私たちにできることはあります。

高田先生は「私たちは地球を未来の子孫から借りて生きています。人から物を借りて返すときに、汚したまま『今のところ毒ではないから大丈夫』といって返す人はいませんよね。
将来の地球、人につけを回さないためにも、私たちのくらしの中で出るごみを最小限にする工夫をしていきましょう。」と話され、学習会を締めくくりました。

参加者のアンケートから

参加者からは

「身近な環境問題を体験しながら勉強できた点は子どもに有益だったと思います。」

「プラスチックが生物に及ぼす問題について話を聞いていましたが、砂浜で実際に細かいプラスチックを探したことで、あそこまで細かくなり拾うのも大変だということから実感として問題を捉えられました。」(高校生)

「シングルユースのプラスチックの利用を減らしていこうと思う。」

などの感想が寄せられました。

パルシステム東京は、これからも生態系保全のための取り組みを続けていきます。

パルシステムの取り組み

パルシステムでは環境保全のため、容器包装対策などに取り組んでいます。

・容器包装の簡素化、リユースびん、リサイクルなどに取り組んでいます。
・プラスチックビーズを配合した化粧品などは扱っていません。
・流せる生理用品、紙おむつは扱っていません。
・メラミンスポンジは扱っていません。
・マイクロプラスチックの出ないセルローススポンジを扱っています。

マイクロプラスチックについて

マイクロプラスチックとは、5㎜以下の小さなプラスチック片のことを指します。
世界のプラスチック生産量は約3億トン。そのうちの約半分は、包装容器などで使い捨てにしています。そしてその一部は海へ流出し、劣化して細かくくだけます。
このうち、この流出したマイクロプラスチックや、プラスチックの材料となる細かなレジンペレットが今世界中の海に漂流し、生き物がエサや海水と一緒に体に取り込み、排出できず死亡するなど深刻な海洋汚染となっています。

2018.10 環境省による「プラスチック・スマート」キャンペーンが始まりました。