活動レポート
プラスチックとの向き合い方を考える「プラスチック問題体験学習会」を実施しています。
2021.12.20
最近注目されている”プラスチックごみ問題”——。
特に河川や海洋でのプラスチック汚染は凄まじいものがあります。
パルシステム東京は2013年度からプラスチックごみが自然環境に与える脅威に着目し、講演会などを行ってきました。
2019年度からは、身近な体験学習を通した啓発を目的に、組合員から構成される委員会主体で学べる機会として、「プラスチック問題体験学習会」のパッケージ化を行いました。
委員会の好みの内容で選べる企画内容
A: 講義+体験学習(見る、拾う、浮かせる、etc.)
B: DVD視聴+講義+体験学習
C: DVD視聴+体験学習
D: ツール貸し出しのみ(DVD貸出、パネル)
その他:屋外(砂浜)での開催など
講義による解説
環境推進課が独自に作成したパワーポイント資料をご覧いただきながら、プラスチックがいつごろ生まれ、どのように人々の暮らしに普及していったのか、きちんとごみ出ししているはずなのにどこから海や川へ流出しているかなどを学ぶことができます。また、講義ではサーマルリサイクル(熱回収)の割合が多い日本のリサイクル事情にも触れています。
マイクロプラスチックごみの観察
事前に砂浜等で採取しておいたさまざまな種類、大きさのプラスチックごみを観察します。直径5mm以下のプラスチックをマイクロプラスチックといいます。ベランダで長時間日光にさらされることにより劣化した洗濯ばさみ、庭に敷いた人工芝など、身近なところからマイクロプラスチックが発生し、河川や海に流出してしまっていることに気づきます。
実験1:多種類のプラスチックを水に入れ、比重を確認する
2019年には、海底6000mに1984年製のレトルトハンバーグの袋が35年間も存在し続け、発見されたことがニュースになり、世間を騒がせました。一方で、海中に浮遊するプラスチックを海洋生物が誤食するニュースもあります。
プラスチックは浮くのか?沈むのか?というのを、実際に種類の違うプラスチック(ポリエチレン・ポリスチレン・PET)を用意し、水に入れることで、浮くものも沈むものもあることを確認します。
実験2:人工芝から発生したマイクロプラスチックを水に撹拌する
適正に使用した人工芝も、ある程度期間が経ってからめくってみると、砂に混じって大量のカケラ(マイクロプラスチック)が発生しています。それが雨に流され、下水道に入り、河川や海へ流出したと仮定し、ビンの中の水に入れ、撹拌してみます。
すると、水の中にはさらに小さい1mm以下のもやのようなものが大量に浮遊していることを観察できました。
これだけ小さければ、プランクトンのような小さな生き物が何も知らずに誤食してしまうのは想像に難くありません。
パルシステムのプラスチック削減の取り組みの紹介
後半には、パルシステムが取り組んでいる容器包材のプラスチック使用量削減の取り組みを紹介しています。例えば、プラスチックごみによる海洋汚染が取り沙汰される以前の1996年よりすでに、たまごパックにプラスチックでないモウルドパック(再生紙製パック)を使用してきたことで、1996~2021年の26年間で8,372トンのプラスチック削減を実現しています。※
※2018年度実績のプラスチック削減量年間322トン(一般的に使われている透明のAPET容器に換算した場合)より計算。
まとめ
プラスチックは医療の面などでも不可欠な素材となっており、使用を完全に禁止してしまうことは困難です。しかし、「私たち生活者ができること」として、次のようなことが挙げられるのではないでしょうか。
・不要なプラスチックをもらわない(レジ袋、食器、ストロー)
・ごみを捨てない、ごみを拾う
・プラスチックの使用が少ない商品、再生原料や生分解性プラスチック使用の商品などを選ぶ
・ごみを分別し、より質の高いリサイクルに出す