活動レポート
中央大学・東京大学・パルシステム東京協働プロジェクト 生きモニまとめ報告会
2018.4.19
3月3日(土)、パルシステム東京新宿本部で「中央大学・東京大学・パルシステム東京協働プロジェクト『市民参加の生き物モニタリングまとめ報告会』」を開催しました。
この企画は組合員が参加しやすい生物多様性保全の取り組みを提供し、生物多様性保全の活動を広めることを目的としています。
生き物モニタリングとは?
調査員となった組合員が撮影した身近なチョウの報告をデータ化し、生物多様性の現状や温暖化の影響を調べる「市民参加の生き物モニタリング」。2009年からスタートし、2017年度で9年目となります。
この間、約3万8千件のデータを蓄積。市民参加の精度の高い調査として、学術的にも高く評価されている、中央大学・東京大学・パルシステム東京の協働プロジェクトです。
基調講演で生物多様性科学の歴史、今後の課題について学ぶ
基調講演「生物多様性市民科学と生きモニ」
はじめに中央大学保全生態学研究室 鷲谷 いづみ教授に、生物多様性科学の歴史や、これからの課題についてお話しいただきました。
鷲谷氏は、欧米に比べて日本では生物多様性について理解している人、目を向けている人が少ないことが大変深刻な課題であると指摘、このままではCOP10で採択された愛知目標のひとつである「遅くとも2020年までに、生物多様性の価値と、それを保全し持続可能に利用するために可能な行動を、人々が認識する」を達成するのは困難であると訴えました。
2017年度調査結果について
中央大学保全生態学研究室協力員 須田 真一氏からは今年度の調査結果について解説していただきました。
2017年度生きモニ報告件数 2,711件(うち有効データ2,685件)
チョウの種類76種
今年度報告があったチョウの種類は76種。初年度からの合計確認種数は90種となり、1990年~2006年に都本土部で記録された種(109種)の83%がこの調査で確認されたことになります。
須田氏は「このことは市民参加型の調査によっても、専門家の調査にひけをとらない精度の高いチョウのモニタリングが可能であることを示していると言えます。」と結びました。
最後に、東京大学生産技術研究所喜連川研究室の安川 雅紀氏から、スマートフォンのカメラで撮影したチョウの画像を元に調査書を作成し、東京大学のデータベースに直接送信することができる「いきモニ スマートフォンアプリケーション(いきモニアプリ)」の運用報告をしていただきました。
※いきモニアプリはAndroidではGoogle Play、
iPhoneではApp Storeでインストールできます。
パルシステム東京では生物多様性保全の取り組みとして、2018年度も引き続き、生き物モニタリング調査の調査員を募集しています。ぜひご参加ください。
※このプロジェクトは2021年3月末をもって終了します。