海外で国際支援の活動をして日本に戻ってきたときに、豊かなはずの日本の子どもたちがあまり幸せそうに見えないと感じたという菊川さん。そういえば日本では、子どもの権利条約は広まっていないと気づいたそうです。
「困っている子どもたちを助けるのは「かわいそう」だからではありません。子どもの権利が失われているからです。それぞれの子どもの権利はそのままで守られるのではなく、守る責務のあることを知り、大人はそれぞれに努力しなければならないと思います。」と語りました。
池田さんは「日本では教職課程で子どもの権利を学びません。教科書に子どもの権利条約のことが書いてあっても、例えば自分たちがいじめを受けない権利があって、校則について意見する権利もあって、大人は聞いて一緒に最善を考えなければいけないなど、身近なこととして解説されていません。権利とは、人が人らしく生きるのに不可欠なもので、みんなのものです。自分も相手も生きる、育つ、守られる、参加する権利があることを正しく知れば、いじめや体罰、虐待などはおかしいことだとわかってきます。今までの日本社会の感覚を乗り越えて、子どもだけでなく女性も、誰もが意見を言え、聞いてもらえ、そこから一緒に人間関係を作ることが大事だと思います。
誰も置き去りにしない社会、誰もが安心を感じられる社会を一緒に創っていきましょう。」と話して講演を締めくくりました。