活動レポート

5年ぶりの現地宿泊 !| いすみ農業協同組合「有機千葉こしひかり」の 公開確認会を開催しました。

2024.8.8

監査人や一般参加者を含めて50名が参加しました。多くの人に見守られながら確認と評価を受ける機会となりました。

監査人や一般参加者を含めて50名が参加しました。多くの人に見守られながら確認と評価を受ける機会となりました。

パルシステム東京は2024年7月6日(土)~7日(日)に、千葉県いすみ市で公開確認会を開催しました。公開確認会は1999年からスタートした生産者と組合員の二者が産地の生産状況を確認するパルシステム独自の制度です。今回の監査項目は「有機千葉こしひかり」。いすみ農業協同組合は千葉県中央南東部に位置する「いすみ市・勝浦市・大多喜町・御宿町」の2市2町をエリアとした3農業協同組合が平成12年に合併した広域農業協同組合です。

自然と共生する里 千葉県いすみ市の有機米と有機農業による産地づくり

太田洋市長による「学校給食にいすみ市産の有機米を!」という一言から始まったいすみ市の有機農業。この一言をきっかけに、2012年に「自然と共生する里づくり連絡協議会」を設立。いすみ市環境保全型農業連絡部会は同協議会における地元稲作農家の活動組織で、いすみ農業協同組合、千葉県いすみ市をメンバーに加え、いすみ市全域で環境保全型農業による地域活性化を目指した活動を展開しています。

 

帳票類の確認では監査人の皆さんが熱心に質問したり、資料の確認を行いました。

帳票類の確認では監査人の皆さんが熱心に質問したり、資料の確認を行いました。

有機JAS認証を取得!

2014年~2016年にいすみ市の気象・土壌条件にあった有機稲作標準技術体系の確立を目指し、生産組織(いすみ市環境保全型農業連絡部会)全体で有機JAS認証を取得しました。

地域によっては、本来外来の有害動物であるジャンボタニシも、既にいるものは仕方ないものとして除草に利用しているとのことでした。

 

圃場での確認、有機栽培方法の説明を聞きました。

圃場での確認、有機栽培方法の説明を聞きました。

圃場での確認、有機栽培方法の説明を聞きました。

機材・農薬倉庫での確認を行いました。

稲の天敵、ジャンボタニシの卵。

稲の天敵、ジャンボタニシの卵。

まち一体となり、環境と経済の両立をめざす

環境創造活動のシンボル「コウノトリ」が2014年いすみ市に初飛来、“より安心・安全なお米を子どもたちに提供したい”“子どもたちに農業のこと、環境のことを知ってもらいたい” その思いから2015年に学校給食に有機米の提供を開始し、2017年には100%有機米になりました。

 

監査人所見発表の様子。

監査人所見発表の様子。

いすみ市では、有機稲作の取り組み開始からわずか5年で学校給食の米を100%有機米に切り替えることに成功し、その後もさらに有機米の生産量が拡大しています。

また、小規模から気軽に有機稲作に取り組めるよう、機械の無償レンタルや独自の助成金による支援、研修や指導員による技術サポートが用意されています。

広域な取り組みのため、それぞれの地域条件と経営体の労働力に応じた多種多様な技術と生産者の様々な工夫によって有機米が生産されていました。

行政と農協と生産者が三位一体となって有機農業を推進

「いすみ市長の言葉、事務局職員、いすみ農協、農業事務所の担当の方が良いチームワークをつくってやってきたことが、公開確認会の受け入れや学校給食の提供につながっている。その中でパルシステムの目標1,000tに、微力ながら生産を勉強して少しでもいすみっこを届けられるように生産していく。」環境保全型農業連絡部会 松崎部会長が産地として受け止めました。

 

千葉県いすみ環境と文化のさとセンターで歴史を学ぶ。

千葉県いすみ環境と文化のさとセンターで歴史を学ぶ。

取組初年度は除草の技術が定まっておらず大変苦労されていましたが、民間稲作研究所の指導による2回代掻きを基本とした除草体系を導入し、さらにそれぞれの圃場条件にあった物理的除草を行うことで有機栽培米の生産継続がなされています。太田市長の決断が大きかったのはもちろんですが、いすみ市の職員、環境保全型農業連絡部会に参加の生産者の多方面にわたる活動は、全国から注目を集めています。公開確認会を通して、栽培に関わる帳票等も含め有機栽培の管理が適切になされていたことが確認できました。

当日のダイジェストを動画でご覧ください

◣公開確認会◥ 2024「有機千葉こしひかり」~いすみ農業協同組合~