活動レポート
【動画あり】おうちで産地交流~よしかわ杜氏の郷~を開催しました
2020.11.30
新潟県上越市の皆さんとのオンライン交流
新潟県上越市吉川区にある酒蔵、「よしかわ杜氏の郷」とオンラインでの交流を11月28日、29日に行いました。
当日は「よしかわ杜氏の郷」の杜氏をはじめ蔵人、そして上越市のみなさんのご協力をいただいての開催となりました。
新潟県上越市吉川区とは
米どころ新潟県の中でも、上越は良質な米の産地として知られているばかりでなく、日本酒の美味しさも格別なことで知られています。
吉川区で一番高い山であり、シンボルともなっていて古くは山岳信仰の対象として知られていた尾神岳(標高757m)より源を発する吉川、平等寺川、大出口川と、3つの河川が流れ、稲作地帯の水源をなしています。
ブナ林に覆われた山懐から湧き出る源水は日本酒造りには欠かせません。
地元の棚田では、その尾上岳の豊かで清らかな水で山田錦、五百万石などの酒米が栽培されています。
夏は高温多湿、冬も雪により低温多湿という「発酵」に適した気候風土ということもあり、発酵・醸造に関する微生物の研究で、世界的権威である坂口謹一郎博士や、「日本のワインぶどうの父」と呼ばれる川上善兵衛氏など、発酵食品に関わりの深い偉人を数多く輩出しているところでもあるのです。
このように酒づくりに最適な水、米、環境、そして全国各地に多数輩出するほどの杜氏の郷とも言われる名杜氏の技によって、数々の銘酒を生み出しています。
パルシステム東京との長きにわたる交流の歴史
そんな上越市吉川区とパルシステム東京とは、長きにわたって交流を続けてきた経緯があります。まだ吉川区が吉川町だった頃から、商品のつながりのみならず、人と人とのつながり=交流を続けてきた、パルシステム東京にとっては歴史ある産地です。
そして2001年、当時の吉川町とパルシステム東京は、「食料と農業に関する基本協定」を締結し、以降、商品供給と交流とで絆をさらに深めてまいりました。
2005年の上越市編入以降は、それまでの吉川の地との交流から、上越市全域との交流へと、交流の輪はさらに広がりました。
今では春の田植えに始まり、秋の稲刈り、晩秋の大根収穫と切り干し大根づくり、そして冬の酒造りなど、年数回、組合員数名にて現地を訪問し、交流を行っています。また、上越市の約7割の面積を占めると言われる中山間地域における農業の振興に向け、夏には棚田での交流も行っており、その棚田でつくられた「棚田米こしひかり」はパルシステム東京の人気商品の一つにまでなっているほどです。
一方、秋口から雪で覆われる冬期にかけては、生産者が都内を訪れ、料理教室やそば打ち体験などの交流企画を開催しています。
これら交流企画には、年間のべ200人以上もの組合員が参加しており、上越は一大産地となっています。
上越との交流や商品の詳細は「おもな交流産地・新潟県 上越市」をご覧ください。
よしかわ杜氏の伝統を受け継ぐ蔵の酒での年越し
そのように毎年、年数回訪問していた産地でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、これまでのような相互の訪問を控えざるを得ない状況となりました。
しかしながら12月に発行する、パルシステム東京が交流を行っている産地のおすすめ商品を掲載した独自チラシ『産地だより』に合わせ、年末年始を控えたこの時期にこそ、このよしかわ杜氏の郷のお酒を是非とも知っていただき、素敵な日本酒で素敵な年越しをしていただきたい、そんな思いから、オンラインにて交流を行おうという話となり、開催に至りました。
準備の段階からよしかわ杜氏の郷様はもちろんのこと、上越市役所の皆さんも多数、お手伝いいただきました。この場を借り、御礼申し上げます。
酒蔵の撮影を通じて感じたこと、それはこだわりのお酒造りには相応のご苦労が伴っている、ということでした。
何よりも大変と感じたのは洗米。たいていの酒米は機械で洗米しますが、大吟醸、純米大吟醸、純米吟醸のお酒は手で洗米しています。その洗米の様子を撮影する際、一部体験をさせていただきました。
11月のため、まだ極寒とまではいかないまでも、そこは上越。やはり厳しい寒さと、洗米に使用する地下水の冷たさは、真冬そのもの。10㎏の重さの米を手が凍り付く冷たさの地下水で洗う作業は口では言い表せない大変さがあります。
よ~い スタート!
まだまだ洗ってください!
ようやく終わった・・・
作業後もしばらくは手の感覚がありませんでした。
本当においしい日本酒をつくるため、これを酒蔵の方々は一日数十回もやっていらっしゃるのですから頭が下がる思いです。
初の夜企画
自宅に居ながらにして交流ができるというオンラインの特性を活かし、今回は昼の時間帯での開催に加え、夜の時間帯でも開催することとしました。
普段、日中は忙しく参加できなかった方々か、このよしかわ杜氏の郷のファンの方々か、いずれにしても今回は定員を大きく上回る方々からのご応募をいただきました。
残念ながら抽選とせざるをえなく、落選となってしまった方々、大変失礼いたしました。
多くの方々からご応募をいただいたことから、同様の企画を再開催する話もあがっておりますので、その際は是非またご応募いただければ幸いです。
よしかわ杜氏の郷の店舗も閉店し、いよいよ準備開始です。PCを4台、プロジェクターにスクリーンなど、店舗の一角があっという間にスタジオに大変身。
リハーサルを重ね、ついにオンエアの18時半を迎えました。
約一年ぶりとなる産地と組合員との交流
はじめて上越のみなさんとの交流に参加された方も、以前、上越に訪問いただいた方も、大変お待たせいたしました。画面越しとはなりますが、上越のみなさんとの交流のお時間です。
久しぶりの再会となる方々も、はじめましての方々も、みなさんそれぞれご自宅にてくつろいでご参加ください。
金賞をいただきました!
まずは当酒蔵のご紹介から。
よしかわ杜氏の郷では、その日本酒の数々が名だたるコンテストにて受賞しています。
今年は「天恵楽純米」が全国燗酒コンテスト2020のプレミアム燗酒部門にて金賞を受賞しました。また、「よしかわ杜氏大辛口」も同コンテストのお値打ちぬる燗部門にて金賞を受賞しました。
お待ちかね みんなで「乾杯!」
「みなさん、日本酒は好きですか?」
の問いに、みなさんいっせいに笑顔で応えていらっしゃいました。当然かもしれませんね・・・。
そんな日本酒好きのみなさまにとってはお待ちかね、いよいよ乾杯の時間です。
画面越しにみんなで一緒に「乾杯!」
3種類の日本酒の試飲ですので、合間に水を飲むことでそれぞれの日本酒の違いを感じ、そしてさらに美味しく日本酒をたしなんでいただくために「和らぎ水(やわらぎみず)」、日本酒における「チェイサー」ですね、そのご用意も。
つまみにピッタリ!上越の特産品
上越のおすすめは日本酒だけではありません。食の宝庫、美味しい食べものとの出会いもまた上越の魅力の一つ。この日は上越市職員、藤井さんセレクトの“日本酒のお供にぴったり”、上越の特産品である「まるかじりメギス」と「ぴりっ子」を紹介いただきました。
「ぴりっこ」は、“一度食べたら癖になる”ピリ辛の香辛料。焼き鳥や冷ややっこなどに添えてご紹介いただきました。他にもしゃぶしゃぶ、鍋、湯豆腐にもおすすめ。「メギス」は上越で水揚げされた新鮮なものを魚醤に漬け込み低温乾燥で仕上げたもの。程よい塩加減でお酒にもお子さんのおやつにもおすすめ、とのことでした。
上越の魅力に取り憑かれて
日本酒に食…。しかし上越の魅力はそれだけではありません。自然の豊かさ、そして人々のあたたかさ…。
ここよしかわ杜氏の郷には、そんな上越に魅せられ、蔵人としてご活躍されていらっしゃる方もいらっしゃいます。
蔵人となって7年、谷内幹典さんです。
実は谷内さん、ご出身は東京とのこと。かつてパルシステムを利用していた際、毎年冬季に開催していた「よしかわ杜氏の郷 酒仕込み体験企画」へ参加。ここ上越、そしてこの酒蔵を訪問した際にすっかりその魅力の虜に。
「こういった仕事をしてみたい!」とこの上越吉川へ移住。
今ではやりがいもあり、なにより充実した日々を送っているとのこと。
これからも美味しいお酒づくりのために頑張ってください!応援しています!
みんなで交流しましょう
酒蔵の方々への質問コーナーでは参加者の方々からの日本酒に関する素朴な疑問からかなり専門的な質問まで様々寄せられました。
また、質問以外にも、
「このお酒が一番よかった」「ぴりっ子は我が家ではこんな使い方をしてみました」
などなど、上越の方々との交流のみならず、参加者同士の交流もすすみました。
どんなおちょこで嗜まれていらっしゃるか、画面越しにおちょこをみなさんそれぞれ披露いただいたりもしました。
杜氏曰く、「おちょこによって同じ日本酒でも味が変わるとも言われるくらいです」とのこと。みなさんそれぞれお気に入りのおちょこで楽しまれていらっしゃいました。
交流の最後には、今回ご紹介させていただいた日本酒が掲載されたチラシ「産地だより」の紹介。
みなさん、是非買ってください!
産地交流をお楽しみいただけましたでしょうか
上越のみなさんとのオンライン交流企画、皆さま、お楽しみいただけましたでしょうか。
上越の魅力を思う存分味わっていただくには、やはり現地を訪問いただくのが一番、なのですが、こういったご時世もあり、オンラインでの交流を企画させていただきました。
感染症が終息した際には、現地訪問企画を再開させていただきますので、ぜひみなさん、ご参加ください!
当日の模様を9分弱の動画でまとめたダイジェスト版です。是非ご覧ください。
主催:パルシステム東京 商品・産直推進部 産直推進課
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新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、これまでのような相互の訪問を控えざるを得ない状況下にあって、交流の灯はともし続けるべく、産地と組合員の自宅とをオンラインで結ぶ「おうちで産地交流」の取り組みを行っています。
パルシステムの「産直」とは、単なる食料調達の手段には留まりません。日々の暮らしの中で、「作る」と「食べる」がともに支え合う。そのパートナーシップを育むための運動こそ、パルシステムの「産直」です。
オンラインではありますが、「結ぶ」場となる交流をこれからも続けてまいります。
パルシステム東京 商品・産直推進部